あなたこそ生きている価値のない人間です

障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害された事件の裁判で、娘を殺害された母親が植松聖被告(30)に対して「あなたこそ不幸を作る人だ」と訴え、死刑を求めた。

植松被告の「意思疎通のできない障害者は不幸を作る」という持論に対する言葉である。

日本の中に居れば見え難いかもしれないが、正にこの植松被告は現代日本の申し子である。出るべくして出てきた人間であり、多くのモンスターの卵が無数に日本社会には存在していると思える。

五体満足な人そうじゃない人、頭脳明晰な人そうじゃない人、足の速い人遅い人、仕事ができる人できない人、そう言った人が其々に存在し、時に迷惑をかけ、時に迷惑をかけられ、お互いを認めてお互いを尊重しお互いの立ち位置で助け合い生きていくのが普通の社会である。

被害者の悲痛な声も、被告の思考も何方も正解なのである。

画一的社会が偏った思考を生み出し、モンスターを生み出している事に多くの国民が気付くかどうか?

ヒトラーと全く同様である。弱気を助ける心温かい志が、いつしか成果主義に呑まれモンスターへと変化した。虐げられた人達を助けようとすれば、虐げられた人々が邪魔になる。これが見えるかどうかである。

個人を責めて、個人を排除して、他人事でいる限り社会はモンスターを生み出し続ける。死刑にするのかどうかは裁判所が決めれば良いが、問題は画一思考を日本が反省できるかどうかが重要と思う。

「不倫は悪」「ドラッグは悪」「迷惑かける事は悪」「勝ち負けは悪」「普通はこうだよね」全てが画一的に答えが一つじゃないと気が済ま無い社会。これ自体が実は狂気なのです。

被害に遭われた方がは一生重荷を背負って生きてく。加害者もそれなりに背負って死んで行くでしょう。人間はこんな事件を無限に繰り返している。

神羅万象、全ては切り口よって答えは違うのです。

薬は毒で毒は薬。善は悪で悪は善である。光あるところに影は存在する。この事をキチンと日本社会は認識すべきと思います。愛に生きる人も居れば、倫理に生きる人もいる。常識と言う見えない縛りに収まりたい人も居ればそうじゃない人もいる。仕事が出来ると言うけれど、何を持って出来ると判断すかは千差万別なのです。詰まり、貴方の正解は誰かの不正解。貴方の利益は誰かの不利益。誰かの常識は貴方の非常識。誰かの親切は貴方の不親切なのです。

普段からこの点を認識して生きて行く事が大切なんです。

皆が一緒と言う横並びの画一思考が狂気を生み出す。一緒じゃ無いものは異質となり邪魔で排除する対象と化す。SNSの似た者同士が違う価値観のものを非難排除する動きが正にモンスターなんです。

横並びも平等、格差も平等。画一化も大事、千差万別も大事。同じである事は違う事でもある事の多様性を見なければいけない。

他人と自分は違う。白も黒もある。持てる者と持たざる者が有るのが普通であり、格差は平等でもあるんです。その事実を認識せずに格差は悪だと言う思考が正に狂気の始まりまりなのです。

日本はアイデンティティーを喪失し過ぎている様に思える。

非難する前にもう一度自分自身を見つめ直し、何が同じで何が違ってそれは何処から来るものなのか?そして自分は何が好きで嫌いで何処へ向かって生きているのか自覚を取り戻す事が、日々起きている悲しい事件事故を減らして行く第一歩となる事に気づいて頂きたいと願う。

自分の為に頑張っているなら、自分はハッピーなんだ。家族の為に頑張っているなら家族はハッピじゃなきゃ、子供の為に頑張っているなら子供達がハッピーじゃなきゃ、国の為に地域の為に頑張っているなら、弱者の為に頑張っているならそれらの人々がハッピーじゃなきゃいけない。

それなのに、貴方の子供達は泣いている。国民は幸福感を持ち得ていない。家族は絆が薄れている。平和を望みながら悲しき事件を繰り返す。今頑張って踏ん張っている貴方は幸福ですか?今一緒にいる相手と本当に幸福なんですか?失う事の恐怖に打ち勝つ勇気こそが生きていく力になります。失わない事が目的じゃないんですよ、貴方がハッピーに笑える事が、子供達が心から安らげる事が、家族の絆が強まる事が貴方の幸福なんでは無いですか?社会や他人を非難する前に、貴方は今ハッピーに笑えている人生を送っているのかどうかを見つめ直して観るのもいいかもしれませんよ。

狂気は優しさ、愛情、正義と言ったものから生まれます。影を消せば光も消えます。それが人間と言う生き物なのです。