ディープフェイク

ディープランニングとフェイクを合わせた造語です。

この問題に対する危機感は非常に薄いと感じています。デジタル世界の分からない面が多いので、多くの方が「なんとなく」で過ごしている側面や、分かっていても「もう遅いでしょ」と言うような半ば諦めてきな側面もあるかも知れません。

ちょうど今から20年くらい前に、この問題が海外では一旦話題となりました。デジタル映像が世界の主力となる変化点だった訳です。業界の方々はそれ以前からデジタル映像の問題点は議論していましたが、一般市民が映像のあり方を議論するのは、それ以前は余り見られなかったと記憶しております。

何にせよ、デジタル映像の最大の特徴は、加工が容易と言う事です。

20年前にも強く警鐘を鳴らした方々は沢山います。しかし人類はデジタル世界に突き進んでおります。多くの方々は映画などで加工された映像を観て楽しんでおりますが、どこが加工でどこが実写なんだと見分けがつくでしょうか?

加工された映像の真偽は誰も簡単に見分ける事が難しいと言う問題点があります。北朝鮮がミサイルを撃ったと嘘のデジタル映像をニュースで流せば、多くの世界はそれで騙される事になります。

もう一つ懸念されるのはAIなどの技術の進歩で、瞬時にして映像を加工して流す事が出来ると言う事です。皆さんは「加工」=「編集」映像で、Live映像にはフェイクは無いだろうと思っているかもしれませんが、live映像も流しながら瞬時にフェイクに加工できます。この危険性は殆ど誰も見分けがつかない危険な環境です。

又マスコミと言う世界は「言葉」「編集」のプロがそろっています。言葉をどの様に繋げればどの様な印象を打ち出せるか?を知っています。映像をどの様に繋ぎ合わせたり、切り取ったりすれば意図的な印象を持たせる事が出来るか熟知しております。この問題はデジタル、Aiとは直接関係なく、従来のマスコミの問題点でもあります。

この様に素人が単純に考えただけで、3つの懸念点が分かります。

①加工が出来る

②瞬時に出来る

③編集出来る

詰まり目の前に流れている映像などが「真実」なのか?という事が分かりにくく、悪意を持った人間が最大に利用すれば非常に危ない事に陥ると言う事です。

北朝鮮を陥れよう。選挙の競争相手を陥れよう。反対勢力を陥れよう。中国を陥れよう。イランを陥れよう。何とでも国家や個人が映像などを利用して情報を操作可能である土台があるという事です。

「国家がそんな事はしないだろう」と思った方は、少々現実の認識不足です。過去も現在も国家も含め人間は、そう言った情報操作はしていおります。日本も当然行なっております。

「情報操作」「嘘」=「悪」と決めつけている方も、よく考えてみて下さい。「嘘も方便」嘘も使い方では善に転ずる事が多々あります。特に国家レベルになると、国家、国民の安全を守る責務が有ります。フェイクが全て「‘悪」では無い側面が有ります。ですから人類は昔も今も「情報操作」「フェイク」を継続しているのです。

日本を見ても多くの情報操作が行われ、多くの光と影が存在します。「赤狩り」「冤罪」「戦争」様々な光と影が存在します。

アメリカでは同時多発テロ時期のブッシュ大統領が「フェイク」を利用し戦争開始を促した事は有名な話ですし、映画にもなってますし、YouTubeで様々な現実の記録映像を観ることができます。話題になった映画「フェアゲーム」で知った方も多いと思います。

人間は矛盾を好む動物です。人間は正論を無限に創造できる動物です。悪は善で有り、善は悪なのです。ここに「‘ディープフェイク」の危険性があるわけです。

勿論規制や取り締まりも強化されて行きます。その「いたちごっこ」が人類の歴史です。

警察「あの時貴方は15時頃A地点におりましたね?」

市民「記憶は定かでは無いので、おぼろげですが、もしかしたらお昼過ぎにはA地点を既にたっていたかも知れません」

警察「という事はA地点に矢張りいたと言う事ですね?」

市民「ですから午前中立ち寄りましたが、午後には其処には居なかったと思います」

警察「午前中は何を其処でしたんですか?」

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この会話を「当日容疑者A地点に矢張り居た!」と報道できます。報道も嘘は言ってません。不十分な表現ですが虚偽にはならないのです。ポイントは15時頃なのですが、そのポイントを意図的に省いて「居た」と言う事実を引き出しています。誘導尋問も同様です。多くの国民の印象は、こう言う事で決まってきます。

「タレントA、不倫か?」

「タレントA、深夜に密会」

「タレントA、深夜まで打ち合わせ」

全く違う印象を与えます。

こう言った事が「編集」と呼ばれている事の側面です。

この様に表現の「言葉」「映像」を巧みに利用して、意図的な意識の誘導をして行きます。上記の表現はタレントAが夜遅くに誰かと一緒という事実が隠れており、全ての表現は決して嘘では無いのです。売れる売れないの芸能人の宣伝にも使えますが、国家の意図的誘導にも使えます。そしてそれは既に人間が瞬時して「嘘」と「真実」を見極める事がほぼ不可能になったと言う事実です。

言葉の編集は、文章慣れである程度読み解けますが、映像は非常に難しと感じます。これから個々の人間が、自分の責任おいて報道をどう判断するのか?データーをどうの様に読み解くのか?何を信じて何を警戒していくの?全て貴方自身が決める重要性が再認識されると思います。

偏った記事やデーターに流される事なく、キチンと真実を読み解いていく事が大切と思います。

勿論「真実」が常に貴方にとって都合が良いものでも、求めているものでも無いのですがね。

「真実」と「嘘」の情報両方が常に人類の歴史に混在しているのは、人間は「都合の良い情報」を必要とする側面があるからです。

ご理解頂けだでしょうか????

情報の提供者も意図的に情報を操る事が出来るが、情報を収集する側も意図的に、欲しいものを求めると言う現実が有るのです、。

ディープフェイクを考える時に、提供側と受け取る側の両面から考えないと先は見えて来ません。非常に難しい問題です。