日本の危機感???

 「犯人」との遭遇――警戒心と好奇心がせめぎあう状況を、作家多和田葉子は何度も体験した。そんな事実を元にした小説『雲をつかむ話』(講談社)が刊行された。
 ドイツに住む「わたし」の家に、謎の男が現れた。1年後、手紙が届き、殺人で服役中とわかる。それから「雲蔓式」に様々な「犯人」の記憶が手繰り出されていく。戦う舞踏家、反体制詩人、牧師や家政婦……。「自分が殺人を起こしてしまったかのように感情移入し、他人の物語がどんどん自分の中に入り込んできて、書いた」と多和田。
 日本に対する危機感を捕らえるには「犯罪」というテーマがいいと思っていた。危機感の一つは死刑の存在。「生きていない方がいい、やり直しはきかないという考え方。その人には価値がないと信じさせること。いじめにもつながる」
 本作の雑誌連載が始まってほどなく、東日本大震災が起こり、福島第一原発が事故を起こした。「原発は一部の地方を犠牲にする。つまり、価値がないとすること」。原発事故の責任をどう取るのかは、重要な問題だが、「放射線に汚染されたがれきを一緒に背負っていくというマインドは、どうか」という。
 「『我に返って』と言いたい。他人の苦しみを身近に感じることは大切だが、今、死にそうなのかどうか、自分の状況を自覚することが重要ではないか。ただ、日常には戻らないで。自分の生活に閉じこもらないで。終わっていないのだから」
 
朝日新聞より転載
 
生きている間に、どれだけの犯人と出会うのか????
 
面白い視点だと思った。
読んではいないが、、まぁ恐らく結構、リアリティーのある話なのだろう。
 
日本の危機感と言うものは、第三者的な視点から見ていないと見えにくい。
 
中にいれば、その比較対象や全体の流れている方向が見えにくい。
 
村が街になり、街が市になり、市が都市へ、、、
大都会へと広がっていく中、、、
人は多くの出会いをしている
 
隣人はどこのだれか解りようがない
 
日本に居ると実感する事は少ないが、、、
 
自分を証明するものなど何一つ存在しない。
詰り、他人を証明するものなど、何ひとつ存在しない。
 
そう言った曖昧でぼんやりとした均衡の中で生きている。
 
急にその霧の濃さが見えてくると、一気に危機感は上昇する
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誰かに見られている?
カメラが追っている、、
拉致されたらどうするのか?
 
「こんにちわ」
「はじめまして、、、」
「私は~と申します。貴方は?」
 
貴方は誰?自分は誰?と言う疑問は
海外で暮らしていると頻繁に考えさせられる。
 
日本にいれば言われない「貴方、日本人でしょ」
 
日本の代表の様に、質問攻めにあう、、、
否応なしに「日本を考えなくていけなくなる」
 
アイデンティティーの問題である。
 
そこから始まり、、、
自分は何者か?
あいつは何者か??
 
すれ違った人間は、一体誰だ?
 
昨日まで泊ってたホテルが爆破された!
先週訪れてた場所で、殺人事件発生!
隣に越してきた、中東風の人、、どうしてここに?
アメリカ生まれの中国人?何故ここに暮らしているの?
仕事もしてなさそうな欧米人、、何やって飯を食っているのか?
毎日、この辺を徘徊している、あの老人、、、
やけに白人が増えてきた、、
やけにイスラム系が増えてきた、、、
やたら、インド人が目につく、、、
増殖するアジア人が鼻につく、、
 
信号を守らないのが当たり前
持たない(貧困)奴が犯罪を犯しても弁償できない
だれも助けてはくれない、やられ損、、、
 
無数の理不尽さが存在する社会の中で
自分の身は自分で守り生き抜いていく
そこでは善悪は机上の理論であり
しかし、その思考は大切なものであり
そしてそれは、自分が決めるものである
 
何気ない、味気の無い、単調な日々の生活
 
しかし、現地人としての生活と外国人としての生活は
大きく違う。
 
その両方の視点から、物事を考える必要性がある
 
閉鎖的な国、社会、の日本では、、、
「外国人」として暮らす視点を持ち難い。
 
日本人として生まれ、育ち、生きて、死ぬ。
それが当たり前であり、それ以上も必要ない。
 
故に危機感と言うものが失われ易い体質であろう
 
貴方は誰か?
それを証明するものは、この世に何一つない
勝手に記憶と周囲との関係の中、自分も他人も
それらの情報を信用しているだけである。
 
人間の記憶は書き換えらる時代に突入した。
 
世界でテロが当たり前のように起きている。
 
猟奇殺人も世界中で毎日起きている。
 
一見普通の、優しそうな人間が、、、、殺人鬼!
 
隣の笑顔の絶えないおじいちゃんは、戦時中、女子供を無数に殺した
 
人は、何食わぬ顔で、何気ない日常をおくっている。
日常の中に潜んでいる恐怖、、、、
犯罪者は名前を変え、顔を変え、生き延びてくる
 
「犯罪者」に遭った事が無いと、、、言い切れるのか?
「犯罪者」が身近にいないと、、、、言い切れるのか?
 
危機感を再考するには、アイデンティティーが鍵になる
貴方は、、、、誰ですか、、、、、