蒼い色

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レンガは何千年も横たわっている

夕方カフェの香りを嗅ぎながら

茶色の街に白い時間が流れ

ゆったりとした精神になれた



日常の苛立ちや悲しさ
水面を流れる葉っぱのように


街にも、恋にも
仕事にも、音楽にも

全てに色がついている



見上げた空が澄んだ色
水平線に夜色が立ち上がる

一口含んだコーヒーに
爽やかな色が溶け込んでいる



ワインカラーの唇に
白の真珠が似合っている


はだしで踏んでいるステップは
重い色をしていた


自分の小ささと
人間の小ささと

情熱の大きさと
涙の大きさが



今と言う時間を押さえている

流れを止めるかのように
懸命に汗が飛び散る、、、



雑踏の色は霞んでいく


夜の色が出始めた、、、


家々には暖かな色



レストランには眩し過ぎるほどの
白が乱反射し、全ての色を吸収し
様々な色が、滲んでいる、、


過ぎし日の笑顔が
消えては現れる


人は何千年も
生きて死んで


その弱さを知った時
その愚かさを知った時

眠れぬ夜を、、、




このレンガはどれだけの
人間を見てきたのか、、、


今日もソウルメイトを
捜し求め彷徨い、

歴史は作られていく、、、、



千年前にもう一度
逢おうと誓い合った


300年前に
今度は何処で?と
聞いたお前の声が聞こえる



今も、、、
はだしのステップは続いている

壁の剥がれた色が
何かを吸い込むかのように
静かに呼吸をしている


人間の罪を
人間の血を
人間の傲慢

何千年と受け止めて
この壁も道も
過去から未来へと続く


1億の夜を越えた
今日、、、
僕と同じ様に誰かが
この場所で何かを観るのだろう


人間は一瞬だ

本当に一瞬のみの時間


砂塵程の大きさ
時間と言う風に飛ばされる


その儚さゆえに
人は恋をし夢を見て


ゆらりゆらり
蒼色の時間が過ぎていく

束の間の
ほんの束の間の