それぞれの時間

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毎日同じ服装で、同じ歩幅、、うつむき嗅げん

急ぎ足で駆け抜けていく

電車の中では忙しそうにメールを打つ指が
小刻みに動いている

決まった時間に駆け込み、決まった行動をとる

異様なほどにコピー集団が群れをなして動く

それでも、その中の一人一人は違う時間を過ごしている

それぞれの時間を、それぞれの思いで生きている。


その多くのそれぞれは、学生服のボタンの違いほど、、
それぞれの多くは、スカートの丈が違う程度、、、

その違いに拘り、その違いを、、個性と呼ぶ。

遠めで観ると、其処には多くの違いは見えない。

同じ歩幅、同じ服、同じ思考、同じ傾向、、、


昔から日本は小宇宙を好む
盆栽に宇宙を見て、4畳半に夢が広がる。

小さな世界がくっきりと見える思考力をもっている。
小さな世界を大事にしてきた民族と思う。

そしてこれからも、その小さな違いを、大きな違いと見て
拘りながら生きていくのだろう、、、。

大きな違いは、問題外の的外れ、、、
大きな違いは、受け入れがたし、、
大きな違いは、許されざるもの、、

和を大事にするゆえに、、、
かこまれた世界ゆえに、、

それぞれの時間が流れ
それぞれの季節が過ぎ
それぞれのため息が、、、、、

遠めで観ると、其処には違いは見えない

百年前に諸外国を見た日本人も
今世界で動き回っている日本人も
恐らく同じ様な事に憤り、同じ様な事を
省みているのだろう、、、

開国がなされ、維新が起きても
鴎外は、未来永劫日本は普請中と述べたらしい

変わらないのだろう、、、
根底に流れるものは変えようが無いのかもしれない

勿論日本だけではなく、諸外国も同じ事、、

同一化は根本的に無理なのだろう。

大きな違いを、そのまま受け入れる事の出来ない
民族は、どのようにして多様化を図るのか、、。

多様化、民主主義、国際化、色々あるが
恐らく那の倭の民族達は、これからも変わる事無く

それぞれの違いを、同じ歩幅と同じ服装、同じ思考で
表していくことだろう、、、。