ハイクオリティー

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人間の営みは飢えの回避を初期として
量から質へと変換を遂げていく。


日本も作れや売れやの量産から
品質の向上へと突き進み、技術大国
日本と言う位置を勝ち取った。


今の日本が忘れている点が
一つあるのではないかと危惧する。


確かに量から質へ変換する時
他社との差別化、つまり販売増の
為に品質に拘った。

結果、より良い物を追い求め
景気の後押しもあり、物が売れた


忘れてはならぬは、その量から
質へと進んだ時に、質の向上を
図った人間達は、決して販売促進
だけを目的にしていなかった点だ。


昔から日本人は、物を作るときに
売ると言う現実とは別に、精神を磨いた
心を込めて打ち込んだ。

どれだけ売れるかと言う面とは別に
良い物を、より良い物をと突き詰めた。
その精神が、技術革新を押しすすめた。


ここにポイントがある。

これこそが、豊かさなのである。


よく江戸時代は豊かな国だった
と昔を知る方々は言う。
あれだけ庶民文化が花開いた
時代も無いだろう。

庶民一人一人が、物の細部まで拘り
ちょっとした違いに誇りを持って
様々な物を大切に使った。


有形無形関係無しに
豊かさを謳歌した時代


その文化的背景があったからこそ
戦後の高度成長を成し遂げた。


しかしいつの間にか
その豊かさを忘れ、
豊かさ=お金の量
と言う図式に変化していった


これが今の日本を狂わせている
現況である。


物を拘って作る幸せ
ちょっとした細部の違いを
慈しみ、楽しむ幸せ。

お酒一杯飲むにも
ぐい飲み一個に拘る
ご飯を炊くにも拘る
お魚を盛るにも拘る

そういった生活一つ一つが
豊かさと呼ぶものであった。


これは豊かさを楽しめるレベルに
達していないと、楽しめない。


国が貧しく荒れた環境で
生きている人間にとって
米の質がどうの、器がどうの
と言った所で、意味をなさない。
「そんな呑気な事を言ってられない」
と一蹴されて終わる。


つまり、盛り付けに拘り
器に拘り、炊き方に拘り
輝きに拘り、色に拘り
形に拘り、使い方に拘り
生きている生活が豊かさなのであり
国の繁栄のバロメーターになる。

それを今、忘れている
拘る事よりも、より多くの
量を販売し、儲ければそれでいい


日本はアメリカの薄利多売の
原理に振り回され、本来日本が
持っていた、豊かさを失った。


これまでに本当に多くの人間が
警鐘を鳴らしてきたのに、今でも
豊かさの見直しが強化されない。




便利さは便利さ
不便さは不便さ
として両方が存在しなければ
いけない事実を認めない。

なぜならば、それを認めた瞬間に
お金の流れが緩やかになってしまう。

お金の流れがゆっくりになると言う事は
資本主義にとって最悪なのである。

何度も言っているが
お金は、動けば動くほど金を産む


アメリカはこの回転率で飯を
食っている。


物も使い捨て、、、、
お金も使い捨て、、、
それこそが資本主義の
真髄とも言えるかも知れない。


その自由奔放な使い捨てが
人間の行動原理によって
自然にバランスは保たれると
言っている学者達も多いが

個人的には、その意見には
首をかしげる

人間は管理されないと
度を越す生き物である。

喉元過ぎれば熱さ忘れる
生き物である。



勿論消滅の危機が来れば
再生への道を探れる生き物
である事も事実だが

度を越して痛みを味なわない
限り、勢いを止められない。
その度に犠牲者を排出する。


戦争でも経済的危機でも
常に多くの人間の犠牲を強いる
しかし、生き延びたもしくは
痛みを味なわなかった者達は
所詮他人事。

今回のリーマンショックでも
一時はウォールストリートの
非難もあったが、所詮金持ちは
金持ち。今じゃ何食わぬ顔。


日本でも同じ。
例え犯罪を犯しても
一粒の涙と利益還元を
行えば、殺人者でさえ神に
祭り上げられる。


これが人間だ。


豊かさを保つには
人間を管理せねばならぬ


今の平和は、自然成立している
訳では無い

豊かさも同様。



人間は管理されなければいけない
生き物である。


問題は過去は、人間が人間を
管理しようとして多くの問題を
生み出した。


これからは、人間が人間を管理
するのではなく

システムや、機械が人間を
管理する方向へ行くだろう。

勿論、それらのものは
全て人間の創造物である
故に、其処にも矛盾が生じる

しかし、その矛盾世界を通過
しない限り、その先も無い



豊かさとこだわりは、大きな関係がある
こだわりとは、使い捨て文化には馴染み難い
経済は消費の文化であり、こだわりが
反作用を生み出す可能性が高い。

つまり、豊かさと金の量が
平行しない事を証明している。

豊かさとは決して利便性や
お金の量だけでは測れないものである


肉体から精神への
考え方と近い。

エロスとアガペ、、
永遠のテーマでもある