矛盾と共存

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ピアノリサイタルの記事が目に付いた。

矛盾を抱え込んだ、素晴らしい音と評していた。

音楽の世界にも、同じ事が言えるんだとうなずいた。

どんな音が矛盾を抱え込んだ音なのだろうか?

経営において組織とは何かを記述した文章に
矛盾を抱え込んだバランスが大事で有ると書いていた。
その矛盾を抱え込んだ、組織の重さが軽すぎず、重すぎず。

やっと矛盾の取り扱いが話題になってきた。

今までは矛盾は悪とされ、はじかれてきた。

矛盾は切り離せないし、悪でもない。

矛盾は人間の業であり、管理できるものである。

どの世界に生きている人たちでも、物事に真剣に向き合えば
その矛盾が必要で、取り扱い次第で、矛盾が矛盾で無くなる
事を経験している。

恐らく、音の世界も矛盾を抱え込んだ音があるならば
絵の世界でも、写真の世界にも、踊りの世界にも
恋愛の世界にも、小説家の世界にも、宗教の世界にも

ありとあらゆる世界に存在するもの。

その矛盾と共存した世界を体感したものは
矛盾と言う従来の言われ方に違和感を感じるだろう。

基礎科学の世界でノーベル賞が話題になっている。

日本人がやっと少しは日の目を見てきた瞬間である。

恐らく多くの矛盾を抱え込んだ科学の世界
そしてノーベル賞を作り出している白人の世界

過去にそれらの矛盾を、被害者意識的に批判をする部外者は
多くいたが、その世界のまっただ中で、汗をかいている者は
批判ではなく、共存の道を探っていたはずだ。

貴方が生きているその世界で、多くの矛盾が目の前に立ちはだかるだろう。

その矛盾を批判するのではなく、共存への道を考え
模索し、希望を見出してもらいたい、、。

多くの悲しみ、憤り、苦しさ、悔しさ、様々なものが
貴方の胸の中を埋め尽くすだろう、、、。

それでも矛盾は存在する。
切り離す事は出来ない。

心から賞を得た方々に拍手を贈りたい。

困難な研究から逃げないで欲しい
評価されない研究から逃げないで欲しいと
揃って口々に、これからの学者達にエールを贈っている。

矛盾との共存は、そう言ったものであろう。

企業の経営も然りである。
経営する側は、評価される為のものでもなければ
楽なものでもない。

地道に評価されなくても、確実に信念を持って
突き進む先に、結果は生まれてくる。

発言力のある投資家を、経営の信念で説得し
客を説得し、内部も説得し、結果が出たら周りを評価する。
それが経営でりマネージメントである。

日本はマネージメントと言うと偉い、カッコいい、賢い?
などと偏ったイメージを持っている者が多いが、
光をあびて、出世して、上り詰めるのはプロレタリアの世界であって

本来の経営者やマネージャーは、生まれ持った環境が大きく
影響し、学問の環境が形付けてくる。

アメリカの経営学は、別の世界を進むが、、、
東洋の経営学、日本の経営学は、それとは違う。

従来日本は、優れた職人が社長だった。
優れた現場のリーダーがマネージャーだった。
売れる販売員がマネージャーだった。

恐らくそれはもう崩れ初めている、、。
日本人の感情に関わる部分なので、
非常に長い時間は要するが、それは既に崩壊へと
突き進んでいる。

開国がなされた時から、日本国は諸外国との
共存を歩き始めた。

そして同時に抱え込む矛盾の量も増大している。

優れた職人と経営人は違う。
トップセールスマンと経営人は違う。
現場のリーダーと経営人は違う、、。

それを受け入れられるかどうかは、若者に掛かっている。

今の若者が、それを受け入れられるかどうかである。

得てして野球界では、優れた選手がそのまま名監督にはなれない

勿論、そのケースもあるが、、優れた選手と監督はイコールではない。

それと同じことなのに、人間は自分の世界には、それを持ち込まない。

優れたプロゴルファーとティーチングプロゴルファーは違う。

優れたマラソン選手と優れたコーチもイコールではない。

それでも日本人は、制服組をはじく。
現場上がりを受け入れる。

経営は判断である。
情報の処理脳力である。

売れる売れない、打てる打てない、勝てる勝てないは
それだけでは済まない。

努力しても駄目な時は駄目だし
努力しなくても良い時は良い結果へ結びつく。
良い判断が良い結果を連れて来るとは限らない。

それは短期的な視野にいる為だ。
結果と言うもんは短期的にしか見えにくい。

今取ったこの判断が良いか悪いかなんて
100年も掛かるケースもある、、。

端的に言えば、賢い奴が経営人で
不器用でも忍耐力のあるものが現場のリーダーで
要領の良い奴が営業部で
ミーハーな奴は開発部門、、

ちょっと短絡的過ぎる表現だが、、

問題は経営人が年収3000万で
現場のリーダーは300万
トップセールスマンは600万で
開発は500万

此処に問題が存在する。

此処に多くの民衆が立ち上がらない限り
社会の矛盾との共存は厳しい。

泣き寝入りをするから、矛盾を悪とする。
そうでもしなければ、やってられないからだ。
矛盾と共存するには、それなりの覚悟が必要。

それなりの継続が無ければ、先は無い。

しかし、現に化学者もピアニストも評論家もスポーツマンも
もう既に矛盾との共存を体感している者たちがいる。

矛盾との共存をどう図るか、、、。

それしても矛盾と共存した音とは
いったいどんな音なのだろうか、、、。